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「日経 電子版」の行方と新聞社の思惑

 2010-03-04
部数、広告ともに厳しい状況が続く新聞業界だが、紙媒体の新聞がネットに押されていくのは、もはや止めようもない潮流だ。今後、宅配制度なども含めた新聞社のビジネスモデルが崩壊していく可能性すらある。

新聞社にとってネット化への対応は避けられない状況だが、まず考えられる対策は記事をネットで配信することだ。それなりに内容のある記事を自社サイトおよび有力ポータルサイトで無料公開することは、すでに様々な新聞社が行っている。しかし、それらのネット上の記事は紙の新聞に比べるとボリュームが少ないし、新聞社にとってもビジネス的に限界がある。

そこで注目されるのが、日本経済新聞社が3月23日に創刊する「日本経済新聞 電子版」(愛称:Web刊)の行方だ。この電子版の購読料(月額、税込み)は下記のとおりになっている。

※日経電子版の購読料金
●電子版のみの場合:4000円
●紙の「日本経済新聞」と併読する場合:1000円
(総額は朝・夕刊セット版地域は5383円、全日版地域は4568円)

これは、なかなか微妙な価格設定である。電子版であれば用紙代・印刷代・配送費用などのコストはかからないのに、電子版だけを購読した場合でも、“紙の「日本経済新聞」”(以下、本紙)だけを購読した場合と比べ、さほど安くはならない。逆に本紙の購読者の場合は、1000円上乗せするだけで電子版も購読できる。

日経の場合、本紙と比べ、電子版には付加情報や付加機能もあるので単純な比較はできないものの、電子版を積極的に普及させようという価格設定には見えない。それどころか、電子版だけの購読者が増えることはあまり歓迎しておらず、既存の本紙の購読者をなるべく減らしたくなく、「電子版については、なるべく本紙を購読しつつ追加サービスとして利用してもらいたい」というのが本音ではないだろうか。「電子版は、あくまで新聞社の従来型ビジネスモデルを崩さない程度に成功してほしい」という思惑なのだろう。

日経は日本を代表する経済紙であり、直接競合する存在があまりないので、電子版も高めの価格設定でいけると考えたのかもしれない。しかし、一般紙の場合は他誌との差別化は相対的に難しいし、一般ニュースはネットで十分という人も多いだろう。また、日経電子版が安すぎると、一般紙の購読をやめて日経だけで済ませてしまう人が増えるかもしれず、それもまた一般紙にとっては脅威だろう。

米国の新聞で電子版を提供して成功しているのが、代表的経済紙「The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)」(以下、WSJ)だ。WSJ電子版の購読料は月額14.99ドル(約1349円:1ドル90円で換算)。単純比較はできないものの、日経電子版よりずっと安い。

ちなみに、米ニューズ社(News Corporation)を率いるメディア王、ルパート・マードック氏は、WSJの発行元である米ダウ・ジョーンズ社(Dow Jones& Company)を2007年に買収した後、WSJ電子版の無料化をほのめかしたが、その後、この無料化構想を撤回し、有料サービスとして継続することを表明したという経緯がある。

WSJは米国以外でも展開を進めており、日本でも2009年6月18日に、「ウォー ル・ストリート・ジャーナル・ジャパン株式会社(WSJJ)」(出資比率は米Dow Jones& Companyが60%、SBIホールディングスが40%)が設立され、同年12月15日には電子版の「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」(WSJ日本版) が正式にスタートした。WSJ日本版は、米WSJの記事の中から選んだ記事を、日本の編集チームが翻訳・編集して掲載する。記事内容は、無料でも読めるものと、有料会員しか読めないものに分かれている。購読料金(税込み)は下記のように、購読期間別に分かれている。

※WSJ日本版の購読料金
●1ヶ月購読:1980円
●6ヶ月購読:9960円(1ヶ月当たり1660円)
●1年購読:1万6560円(1ヶ月当たり1380円)

WSJ日本版は、1年購読の場合の1ヶ月当たり料金が、米国のWSJ電子版と同程度になる。価格だけを見れば、WSJ日本版は日経電子版よりずっと安く、同じ経済ニュースというジャンルであることから、ある部分では日経電子版のライバルになる可能性もある。


※当ブログの関連記事
■若者はなぜ新聞を読まなくなったのか(2010年3月2日)
■「日本経済新聞 電子版」(Web刊)が3月23日に創刊(2010年2月25日)
■広告費でインターネットが新聞を抜き、テレビに次ぐ2位に(2010年2月24日)

若者はなぜ新聞を読まなくなったのか

 2010-03-02
M1 層(男性20~34 歳)・F1 層(女性20~34 歳)の意識・実態の分析・研究、マーケティング・コンサルティングなどを手がける「M1・F1総研」(出資比率は電通:60%、リクルート:40%)は2月25日、若者の新聞への意識などに関する調査レポート『若者と新聞』(下記)を発表した。

調査実施時期は2009年11月。1都3県在住のM1層(20~34歳男性)1,000人、1都3県在住のM2層(35~49歳男性)200人が調査対象。なお、この調査では、新聞を週1回以上閲覧する人を「新聞を読む人」、週1回未満の人を「新聞を読まない人」とする。

『若者と新聞』(2010年2月25日発表)
・ニュース詳細(PDFファイル 130KB)
http://m1f1.jp/files/release_topic_100225.pdf
・トピックレポート詳細(PDFファイル 573KB)
http://www.m1f1.jp/files/topic_100225.pdf



レポートによると、まず、「普段からよく新聞に接している人」は若い層ほど減少し、20代前半では34.9%。また、「積極的に新聞を閲覧している人」も若い層ほど減少し、20代前半では21.1%。上の世代に比べて、若い世代が新聞を読んでいない実態が明らかとなった。

しかし注目すべきは、若い層の「新聞離れ」が進んでいるとはいえ、それは決して「活字離れ」を意味しないということだ。調査結果では、「活字を読むのは好きなほうである」とする割合は、年代別にほとんど差がない。「書籍」「雑誌」「ニュースサイト」を閲覧する頻度は年代別の差があまりなく、さらに、「フリーペーパー」「ブログ」を読む頻度は若い層の方がむしろ多い。

このように、若者の文字情報に対する興味は決して低下してはいない。様々な文字媒体の中で、新聞が相対的に地盤沈下を起こしているのである。

M1層の意識を調査した結果、新聞を読まない人が新聞を読まない理由としては、「料金がかかるから」「他のメディアから得られる情報で足りているから」などが上位に挙げられている。つまり、新聞で得られる情報は他で間に合うものが多く、わざわざお金を支払う価値を感じないと意識されているのだ。ネットにあふれる無料の情報などで事足りている人が多いということだろう。

そもそも、多くの人は新聞が有料だから読まないのではなく、あえて対価を支払うほどの価値を新聞に感じないから読まないのだ。

新聞を読まない理由として、「読むのに時間がかかるから」「余計な情報が多いから」とする割合も多い。つまり新聞には、自分にとって特に必要のない、あるいは興味のない情報が多いと意識されているのだ。ネットであれば、多彩な情報の中から興味のあるものだけを選択して読めるが、新聞は余計な情報が多い上に、読むのに時間がかかるということだろう。

また、M1層では「効率的に情報を収集したい」とする層が86.2%と、上の層と比べて非常に多く、情報収集では効率を優先する姿勢が窺われる。しかし新聞は、日々の情報を収集する手段としては、速報性でも検索性でもネットにかなわない。

以上のように、ネット化が進展する中で新聞が旧態依然たるメディアになっており、人々のニーズからずれつつある実態が窺える。

日本の新聞業界は宅配制度や再販制度に守られてきた面があるが、ここにきて、経営環境は厳しさを増しつつある。ネット化の進展の中で新聞社がどこまで従来のビジネスモデルを維持できるのか、予断を許さない。このままいくと、新聞社の経営危機や業界再編の話も出てきそうだ。

新聞社にとって、考えられる対策のひとつは記事のネット化だ。たとえば、先日のブログ記事でも取り上げたように、 「日本経済新聞 電子版」が3月23日に創刊される予定で、3月1日から申込受付が開始されている。この日経の試みが成功するかどうかは、他社にとっても試金石となるだろう。

しかし、米国の新聞でオンラインの記事を有料化して成功しているのは、代表的な経済紙「Wall Street Journal」くらいしかない。経済紙のように専門性の高いコンテンツを提供するのであれば、対価を支払う人はいるだろうが、一般紙だとやはり厳しそうだ。

それに、新聞社がネットを主体にしてしまうと、従来のような企業規模を維持するのは困難だろう。どのみち、新聞社にとって困難な未来が待ち受けているのは確かなようだ。

「日本経済新聞 電子版」(Web刊)が3月23日に創刊

 2010-02-25
日本経済新聞社はかねてから「日本経済新聞 電子版」(http://www.nikkei.com/)の創刊を表明していたが、創刊時期については“今春”と述べるにとどまり、具体的な日付はずっと不明だった。しかし、ついに2月24日、創刊日が3月23日であることが明らかとなった。

同社によると、「日本経済新聞 電子版」(愛称:「Web刊」)は、「紙の新聞とデジタルの特性を併せ持つ新しいメディアをめざし、24時間体制で最新ニュースを提供する」という。記事はパソコンのほか、携帯向けサイトでも読める。同社は初年度で約10万人の読者獲得をめざす。

きたる3月1日から先行登録受付が開始され、キャンペーンも実施される(キャンペーンの詳細は3月1月に公開予定)。現在、特設サイトも開設されている(下記)。

「日本経済新聞 電子版」特設サイト
http://pr.nikkei.com/

同社は従来からWebサイト「NIKKEI NET」(http://www.nikkei.co.jp/)を運営しており、日経本紙の情報量の一部とはいえ、かなりのコンテンツを無料で読むことができる。Web刊は、このNIKKEI NETを大幅にパワーアップした媒体と言うことができる。

Web刊は、Webで一般的な横組みのレイアウトのほか、オリジナルの紙面構成で読むこともできる。過去記事の検索、キーワードによる記事の自動ピックアップ、記事のクリッピングなど、Webの特性を活かした豊富な機能を提供する。

Web刊のコンテンツとしては、有料会員には日経本紙の全ての記事が配信され、過去1週間分の記事をそのまま読むことができる。途中の時間帯にも、記事は随時配信される。日経本紙の記事以外にも、Web刊のオリジナル記事、同社が発行する日経産業新聞や日経ヴェリタスなどの記事、子会社の日経BPが発行する雑誌の記事、系列のテレビ東京や日経CNBCなどの番組、さらに英Financial Timesなど外部メディアの記事など、幅広く提供される。

Web刊の読者は次の3種類に分かれる。
・非会員 :登録していない一般読者
・無料会員:無料の会員登録をしている会員
・有料会員:購読料を支払っている会員

非会員→無料会員→有料会員と、より多くのコンテンツや機能を利用できるようになる、3層構造となっている。無料会員に向けては、登録情報に基づく個人属性に即した広告を配信できる。また、非会員は人数が多いので、トラフィックの多さを活用し、マスに向けた広告を配信することができる。

購読料(月額、税込み)は、電子版のみの場合は4000円、紙の「日本経済新聞」と併読する場合は1000円(総額は朝・夕刊セット版地域は5383円、全日版地域は4568円)。紙媒体の日経本紙とのバランスを考慮したと思われる、微妙な価格設定だ。なお、電子版は4月末まで無料で提供される。

価格の影響も含めて気になるのが、新聞販売店の反応だ。紙の日経本紙と電子版は併存するが、 電子版の普及に伴って紙媒体の減少に拍車がかかれば、新聞流通の“中抜き減少”が進み、販売店にとっては死活問題だ。また日経社内においても、宅配網を流通の核にした従来のモデルが、電子化により崩れていく可能性があるため、電子版への姿勢には温度差があるだろう。具体的な創刊日がなかなか発表されなかったのも、社内外の調整に手間取ったことが大きな要因ではないかとみられる。

新聞社の大きな収入源は広告だが、前回のブログ記事で書いたように、2009年の日本の媒体別広告費で、新聞は前年比18.6%減と大きく落ち込んだのに対し、インターネットは1.2増と伸びている。部数減と広告減に苦しむ新聞社にとって、電子化も収入増を図る手段である。しかし、電子化で従来のビジネスモデルが侵食されることを考えると、両刃の剣でもある。

ただし、日本経済新聞社は一般紙の各社と比べ、経済情報を扱っているという差別化要素がある。同社は経済情報をインターネット上で提供するサービスでも進んでおり、これまでも会員向けサービスとして、日経のデータベースにアクセスできる「日経テレコン21」や、金融市場のニュースを端末に配信する「日経QUICニュース(NQN)」などを手がけてきた。今回のWeb刊も、このようなサービス展開の一環といえる。

米国では近年、新聞の凋落が著しく、各紙がネットでの展開などを模索しているが、総じて経営悪化が続いている。米新聞雑誌部数公査機構(ABC)の調査によると、発行部数(2009年4月~9月平均、有料電子版を含む)が例外的に好調なのは代表的経済紙「The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル) 」で、約202万部(前年同期比0.6%増)と、「USA Today(USAトゥデイ)」(同17.1%減)を抜き全米1位となっている。このことからも、大手経済紙の優位性が窺われる。

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