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国際社会での自立を避ける「モラトリアム国家・日本」

 2010-05-20
沖縄の普天間基地移設問題を5月末までに決着させるという鳩山政権の約束は事実上、実現不可能となっており、解決の糸口も見出せないまま迷走が続いている。本来、この普天間基地移設問題は基地の場所探しに矮小化すべきではなく、日米安保の枠組みの中で大局的に捉える必要がある。さらに言えば、日米安保を日本の安全保障や外交の中でどう位置づけるかという問題にもつながる。

日米関係について、「対米従属」という言葉がよく使われる。特に日米安保は、軍事的に見る限りは対米依存の性格が強い。確かに当初は、日本が再び軍事的脅威になることを阻止するという意図が、米側にはあっただろう。そこで、日本独自の防衛力は最小限度にとどめる代わりに、いわゆる「核の傘」も含め、日米安保体制で米国が日本の安全保障を担保する、という枠組みが作られたという経緯がある。この日米安保体制は、在日米軍基地の大半が沖縄に集中していることもあり、多くの日本人にとって普段は特に意識しないほど定着してしまっている。

安全保障だけでなく、外交に関しても、日本はおおむね米国が設定した枠内で動いてきた。外交の駆け引きや戦略的行動が不得意な日本にとって、覇権国家である米国が形成した枠組みの中で行動することは、都合がよかった。日本は安全保障と外交という国家の基幹部分で、独自性をある程度放棄し、主体的に動くことを抑制してきた。ある意味で日本は米国に依存し、米国というフィルターを通して世界と向き合ってきたといえる。戦後の日本は、「国家として真に自立することを避け、生の国際社会と主体的に関わることを抑制する」という意味で、「モラトリアム」の状態でやってきた。

日米安保体制は日本にとって、過大な軍備負担を回避し経済成長に専念できるので、悪い話ではなかった。もっとも米国は、やがて日本が自立性を強めていくことを想定したと思われるが、実際には日本は経済的に復興した後も、「米国に依存していると都合がいい」ということに気づいてしまい、あえて「戦略的従属」の路線を選んだ。だから、対米従属といっても、日本側が自発的にそのような状態を望んだという面も強いのである。日本は、国家としての自立に距離を置く「モラトリアム国家」の道を選んだといえよう。

もともと農耕社会である日本は、「外部環境は所与の条件として受け入れるもの」という観念が強く、主体的に外部環境に働きかけるという感覚に乏しい。戦略的に立ち回ることも得意ではない。このような国民性は、モラトリアム状態との親和性が高い。日本にとって、「無理に自立しなくても、強大な米国に安定的に依存していられる」という状態は、居心地のいいものだったのかもしれない。一方、米国は、国益のために国家戦略を策定し、国際社会に積極的に関与していく「戦略国家」である。

鳩山首相は「対等な日米関係」を掲げているようだが、そのためには日本が国家として自立することが不可欠だ。しかし、たとえば鳩山首相の持論である「駐留なき安保」は、「普段は日本は米軍に基地を提供しないが、日本が有事の際は米軍が救援に駆けつける」という構想であり、虫のよすぎる考えである。しかも、自主防衛体制強化のための道筋が示されているわけでもない。これでは、「心の底では米国をあてにしながら、ある程度のわがままは言いたい」という程度のものにしかならない。

日本が根本的な部分でモラトリアム志向を続ける限り、国家の自立を叫んでも限界がある。これまでの日本はモラトリアム国家でありながらも、「経済大国」ということで存在感を誇示できた。しかし日本の経済不振が長期化し、世界経済における日本のウェイトが低下する中、国際社会で日本の存在感は薄れつつある。これからの国際社会における日本の位置づけを考えるにあたっては、日本のモラトリアム体質をどうするかという、根源的な問題に向き合う必要がある。


※関連エントリー
■日米安保体制における両国の費用対効果のバランス
■沖縄訪問の鳩山首相、普天間基地の県内移設を伝達するが、能天気な発言に脱力感

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