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昭和が生み出した「ソフトでカジュアルな国家社会主義」

 2010-04-29
本日(4月29日)は「昭和の日」だ。祝日法によると「昭和の日」の趣旨は、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」とされている。

昭和初期の戦時体制下に萌芽が見られ、終戦直後に確立した体制のもとで、戦後の日本は高度経済成長を実現し、1990年代初頭のバブル崩壊まで経済的繁栄を謳歌した。この体制は資本主義を基礎にしながらも、政府や官僚が民間を強く規制する点で社会主義的傾向が強く、また各組織では日本特有の共同体的性格も濃厚である。

1931年(昭和6年)の満州事変、1937年(昭和12年)の日中戦争の勃発を経て、総力戦遂行のために人員や物資を政府が統制運用することを目的に、1938年(昭和13年)に「国家総動員法」が制定された。1940年(昭和15年)には既存の政党が自発的に解散し、「大政翼賛会」が結成された。さらに、産業や金融の国家統制、均一な労働力を養成するための教育制度の制定、情報発信機能の東京への集中と系列化などが推進された。このような一連の施策によって構築された体制は、太平洋戦争が勃発した1941年(昭和16年)にはほぼ完成したので、「昭和16年体制」と呼ばれることもある。この体制は、ドイツやイタリアの国家社会主義(ファシズム)をモデルにしながらも日本的な要素を加味した、「日本型国家社会主義」といってよい。

1945年(昭和20年)の敗戦後、GHQによる占領政策で日本の民主化が推進されたが、昭和16年体制の基本的性格は、非軍事化された形で生き残った。軍部や財閥は解体されたが、官僚支配体制は実質的に継続する。大政翼賛会は廃止され多党制が復活したものの、1955年(昭和30年)に保守合同で自由党と日本民主党が合同し、自由民主党(自民党)が結成されてからは、自民党が万年与党であり続ける状態が続き、「55年体制」と呼ばれた。万年与党の自民党と強力な実質的権限を持つ官僚機構の密接な協力により、国家運営がなされた。教育制度については、規格品の大量生産に適した画一的な制度が維持された。企業においては、終身雇用を基本にした雇用慣行が確立した。

戦後の体制は戦前とは異なり、過度の国家主義的要素は除去され民主化されたものの、中核部分では戦前からの要素が濃厚に残った。戦後においては戦前の体制を基に修正した、いわば「ソフトでカジュアルな国家社会主義」が成立したと言ってもよいだろう。

しかし、1980年代後半に発生したバブル経済が1990年頃をピークに崩壊し、その後、現在まで約20年間にわたり日本経済は総じて不振を続けている。日本のバブル崩壊は、世界的に冷戦が終結した時期とほぼ重なっており、冷戦とともに戦後日本の繁栄も終わっていった感がある。日本の一人当たりGDPは最盛期には米国すら抜いて世界のトップクラスだったが、今や先進国グループの中でも下位に甘んじている。2008年秋のリーマン・ショック後は世界不況が日本経済を直撃し、その影響からまだ完全には立ち直っていない。日本は経済不振が慢性化する中、雇用、社会保障、財政再建など幾多の問題に直面している。

戦後の日本の高度成長を支えた条件の多くは、すでに失われている。少子高齢化が急速に進み、新興国の台頭で日本の製造業の優位性は低下し、デジタル化やソフト化では後れをとっている。硬直的な諸制度、官僚支配体制、強固な既得権の構造などが、日本の変化を阻んでいる。

昭和の時代が生み出し、戦後の冷戦期に日本で大成功した「ソフトでカジュアルな国家社会主義」は、壁に突き当たって久しい。日本は、これを乗り越えるシステムを見出し、実現しなければならない。1990年代以降、様々な改革の試みはなされてきたが、必ずしもうまくいっているとは言い難い。しかし、社会の流動性を高め、個人の創造性を重視し、分権化を進め、市場の機能を活用して、経済を活性化するとともに、充実した社会保障で安心も確保できる改革が、待ったなしで求められている。


※関連エントリー
■鳩山内閣の支持率が30.9%に。民主党政権は「55年体制の最終段階」
■日本の終身雇用はどうなる

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