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電子書籍の普及で出版社は微妙な立場になる

 2010-03-27
3月24日、「日本電子書籍出版社協会」(電書協)の設立総会が開催された。

電書協は、電子書籍販売サイト「電子文庫パブリ」を運営してきた任意団体「電子文庫出版社会」が母体となり、下記の出版社31社が参加して設立されたもので、講談社の野間省伸副社長が代表理事に就任した。

※「日本電子書籍出版社協会」(電書協)に参加した出版社31社

朝日新聞出版、学研ホールディングス、角川書店、河出書房新社、幻冬舎、講談社、光文社、実業之日本社、集英社、主婦の友社、小学館、祥伝社、新潮社、ダイヤモンド社、筑摩書房、中央公論新社、東洋経済新報社、徳間書店、日経ビーピー、日本経済新聞出版社、日本放送出版協会、早川書房、PHP研究所、扶桑社、双葉社、ぶんか社、文藝春秋、ポプラ社、マガジンハウス、丸善、山と渓谷社


この電書協だが、有力出版社31社が「電子書籍への対応」をテーマに設立したらしいことは見当がつくものの、いったい何を目的にしているのか、設立意図がよくわからないのである。

電書協では「著作者の利益・権利を確保すること」、「読者の利便性に資すること」、「紙とデジタルの連動・共存」の3つの理念を柱としているという。しかし具体的施策としては、電子書籍のフォーマットや電子書籍端末に関する研究を行う委員会を設置するなど、受身の情報収集にとどまり、当面、電書協として積極的に何かを働きかける考えはないようだ。

そもそも電子書籍が普及すると、出版社は微妙な立場になる。従来の紙の書籍であれば、著者と読者の間の流通経路において、まず出版社、そして多くの場合は取次会社、さらに書店が介在する。一方、電子書籍の場合は物理的形態をとらない電子データであるため、印刷・製本が不要になるのはもちろんのこと、発売元となる出版社も必ずしも不可欠なものではなくなる。低コストで参入できるため、電子出版を扱うベンチャー企業が続々と登場するかもしれない。いずれにせよ、既存の出版社のビジネスモデルが脅かされるのは避けられない。

そうなると、既存の出版社の存在意義はどこにあるのだろうか。たとえば、斬新な企画を考え、著者を発掘・育成し、編集ノウハウを活用して競争力のある商品に仕立てることだろうか。しかし、そのような仕事を手がけるのは、既存の出版社でなくてもかまわない。個人や個人事務所のような規模でも、電子出版プロデューサーや電子出版コンサルタントなどとして、編集機能を担うことが容易になるだろう。著者によっては、自分で全てをこなすことも不可能ではない。出版において、“マス”の意義が薄れるのである。

著者にとっては、電子出版の方が自分の著作を発表しやすいし、印税率(あるいは売上げの取り分)も高めに設定できるだろう。電子出版は紙の書籍のように物理的形態をとらず、流通の中抜きが可能になることもあって、著者の立場は相対的に高まる。

日本の出版業界は、書店への委託販売制度と再販制度を原則とし、出版不況が長引く中で大量の返品が常態化している。ある種の閉塞状態にあるといってよいだろう。しかし、ここにきて、日本でも電子出版が急速に普及する可能性が出てきた。書籍のデジタル化やネット化は、出版業界に地殻変動を起こしそうだ。


■日本電子書籍出版社協会
http://www.ebpaj.jp/

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