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郵政民営化見直しで官業の性格が強まる郵政事業

 2010-03-24
政府は3月23日、郵政民営化の見直しに関連して、「ゆうちょ銀行」の預入限度額を現行の1000万円から2000万円に、「かんぽ生命」の保険金の上限額を現行の1300万円から2500万円に引き上げる方針を固めた。当初案では各々、3000万円と5000万円に引き上げる方針だったが、金融業界などから民業圧迫だとの批判が強く、限度額を圧縮することになった。今回の方針は、亀井静香郵政改革担当相(国民新党代表)が、原口一博総務相、日本郵政の斎藤次郎社長と協議を行い決定したという。

また、現在の経営形態は、持ち株会社である「日本郵政」の傘下に「郵便局会社」、「郵便事業会社」、「ゆうちょ銀行」、「かんぽ生命」の4社を置く5社体制となっている。改正案ではこれを見直し、「日本郵政」に「郵便局会社」と「郵便事業会社」を統合して新たな持ち株会社とし、その傘下に「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」の2社を置く3社体制に再編する。現在は“純粋持ち株会社”である「日本郵政」が、再編後は郵便事業などを営む“事業持ち株会社”になり、その傘下に金融2社を置く形態に変わるのだ。

さらに改正案によると、持ち株会社への政府の出資比率については、重要事項に対して拒否権を発動できる3分の1超とする。国民新党は当初、通常事項について政府が決定権を持つことができる2分の1超を主張していたが、政府関与が強すぎるとの批判を受け、3分の1超で妥協した。

昨年の民主党政権誕生後、郵政民営化は凍結されていたが、以上のような内容の改正案が決まったことで、郵政の今後の形がより具体的になった。 しかし、経営形態の問題はさておき、限度額の引き上げは、やはり民営圧迫という点で問題が多いのではないだろうか。ペイオフ解禁後は、民間金融機関の預金(利息の付く預金)は元本1000万円までとその利息が預金保険法により保護されるが、「ゆうちょ銀行」の2000万円という預入限度額はその2倍にも相当する。特に、地方を営業基盤とする小規模な金融機関にとっては、預金獲得競争において大きな脅威となる。金融機関の店舗の少ない過疎地域などでは、ゆうちょ銀行に預金のほとんどを預ける人が増えそうだ。ちなみに、金融機関の不満をなだめるためか、ペイオフの限度額を引き上げるという案も出ているようである。

巨額の資金を持つ郵政事業が、実質的に国営に近い形態を維持することになったわけだが、その上、国が有利な競争条件を保証するというのであれば、民間との競合を避けるためにも、事業内容は厳格に制限されるべきだろう。あるいは、形態としては公社に戻した上で、事業規模は縮小していくという政策も考えられる。しかし亀井大臣は、郵政は事業を積極的に拡大していきたいとの意向を表明している。国営事業に近い形態で実質的な政府保証を受けながら、株式会社として事業は積極的に拡大したいということは、国営と民営の都合のいい部分だけをつまみ食いするようなものだ。

国営なのか民営なのか判然としない“ヌエ的な存在”というと、経営破綻して再建中のJAL(日本航空)を思い出す。半官半民の特殊会社だったJALは1987年11月に完全民営化されたが、完全民営化後も準国営事業的な意識を払拭できず、政治家の介入も続き、経営破綻に至った。JALは経営破綻するまで、ついに本当の意味の民間企業にはなりきれなかったのだ。郵政事業の将来についても、JALと同様な危うさを感じる。もし郵政事業が破綻するような事態になったら、結局、ツケは国民に回ってくることになる。

郵政事業は資金量だけは巨大だが、格別の資金運用ノウハウがあるわけではなく、資金の大部分は国債で運用されている。事実上、国民の貯蓄を国債購入に回す仲介機関のようになっているのだ。亀井大臣は郵政事業の資金を事実上、国のお金として使い、非常事態を乗り切ることを考えているのかもしれない。しかし、今後の日本経済の方向性を考えると、「民間主体の市場メカニズムに基づく資金配分」という観点を忘れてはならないだろう。

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