スポンサーサイト

 --------
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ :スポンサー広告 トラックバック(-) コメント(-)

日本の終身雇用はどうなる

 2010-03-08
前回の記事で、半数近い企業において2010年度の正社員採用予定がない、という記事を書いた。終身雇用を前提として、新卒定期採用という機会にかける学生にとっては、深刻な事態だろう。

日本企業、なかでも規模の比較的大きい企業では、雇用慣行として終身雇用と新卒定期採用がセットになっているため、多くの学生は新卒入社をめざして就職活動(いわゆる「就活」)に全力投入する。この機会を逃すと条件のいい就職はきわめて困難になる(と認識されている)ため、学生も必死だ。しかも、リーマンショック後の世界同時不況の影響で、学生の安定志向はさらに強まっている。

終身雇用と新卒定期採用がセットだといっても、核は終身雇用であり、新卒定期採用は終身雇用制度の重要な構成要素という位置づけだ。日本の(特に大手企業の)雇用制度を特徴づけるのは、やはり終身雇用なのだ。

では、なぜ日本では終身雇用という制度ないしは慣行が、(揺らぎつつあるとはいえ)現在でも根強く続いているのだろうか。

よく理由として挙げられるのが、日本では正社員の解雇が法的に非常に困難だということだ。確かに国際的に見て、日本では正社員に対する解雇規制がきわめて強い。しかし、仮に現状ほど厳格な解雇規制がなかったとしても、多くの企業は日常的に安易に解雇を行うとは考えにくい。それとは逆に、リストラなどの目的で、実質的な人員整理はかなり行われているのも現実だ。つまり、強い解雇規制のために終身雇用が成立したとは必ずしも言えないのだ。むしろ、慣行となっている終身雇用を法的にも保護・強化するために、厳格な解雇規制が後追いで導入されたとも考えられるのだ。

終身雇用が日本人の国民性に合致していることを、理由に挙げる人もいる。日本では機能集団が共同体になる傾向があるため、終身雇用が日本人の気質に向いているのは事実だろう。しかし終身雇用という慣行は、日本にそれほど古くからあったものではない。歴史的には昭和初期の戦時体制下で萌芽が見られ、終戦後の復興期に本格的に確立した、意外と新しいシステムなのだ。経済・社会環境としては、高い経済成長率や、若年層ほど多い人口構成(人口ピラミッド)なども、終身雇用の導入を容易にした条件だ。

そもそも終身雇用に経済合理性がなければ、長い年月にわたって続いたわけがない。実は終身雇用は、企業と労働者の双方にとってメリットのある、Win-Winのシステムだったのだ。企業側にとっても、長期的に安定して労働力を確保することができる、終身雇用を実質的に保証する代わりに賃金コストを抑えられる、人材流出を心配することなく安心して人材教育に投資できる、労働者が獲得したノウハウが社内に蓄積されていく、などのメリットがあった。

しかし、逆に、終身雇用が企業と労働者の双方にとって必ずしもWin-Winのシステムでなくなった場合、その経済合理性は揺らぐことになる。労働者や就職をめざす学生などは依然として終身雇用を望む声が多いようだが、企業側は終身雇用の維持を原則としつつも、一面ではそれを負担に感じるようになっているのではないだろうか。

日本経済の慢性的な低成長、新興国の急速な追い上げ、グローバル化の進展、デジタル化・ソフト化の進展など、特に1990年代以降、日本経済を取り巻く環境は激変している。ここにきて人口増加も停止し、今後は人口構成の高齢化がさらに進んでいく。従来型の製造業に最適化され、労働力の流動性に乏しい日本の雇用慣行では、このような環境変化に対応していくことは必ずしも容易ではない。

かつての高度成長期には有効だった雇用慣行をそのまま維持し続けるのでは、日本経済は全体として人的資源を有効に活用しきれず、国際競争力がじわじわと低下していくことになりかねない。日本の雇用慣行についても、日本経済の将来を見据えて根本的な見直しが必要なのではないだろうか。

コメント












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバックURL:
http://trendcaster.blog68.fc2.com/tb.php/57-98b22d4c
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫
カレンダー(月別)
05 ≪│2017/06│≫ 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

最新記事

最新コメント
最新トラックバック

カテゴリ
プロフィール

trendcaster

Author:trendcaster
時流を追いながら書きつらねていきます。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。