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「日本経済新聞 電子版」(Web刊)が3月23日に創刊

 2010-02-25
日本経済新聞社はかねてから「日本経済新聞 電子版」(http://www.nikkei.com/)の創刊を表明していたが、創刊時期については“今春”と述べるにとどまり、具体的な日付はずっと不明だった。しかし、ついに2月24日、創刊日が3月23日であることが明らかとなった。

同社によると、「日本経済新聞 電子版」(愛称:「Web刊」)は、「紙の新聞とデジタルの特性を併せ持つ新しいメディアをめざし、24時間体制で最新ニュースを提供する」という。記事はパソコンのほか、携帯向けサイトでも読める。同社は初年度で約10万人の読者獲得をめざす。

きたる3月1日から先行登録受付が開始され、キャンペーンも実施される(キャンペーンの詳細は3月1月に公開予定)。現在、特設サイトも開設されている(下記)。

「日本経済新聞 電子版」特設サイト
http://pr.nikkei.com/

同社は従来からWebサイト「NIKKEI NET」(http://www.nikkei.co.jp/)を運営しており、日経本紙の情報量の一部とはいえ、かなりのコンテンツを無料で読むことができる。Web刊は、このNIKKEI NETを大幅にパワーアップした媒体と言うことができる。

Web刊は、Webで一般的な横組みのレイアウトのほか、オリジナルの紙面構成で読むこともできる。過去記事の検索、キーワードによる記事の自動ピックアップ、記事のクリッピングなど、Webの特性を活かした豊富な機能を提供する。

Web刊のコンテンツとしては、有料会員には日経本紙の全ての記事が配信され、過去1週間分の記事をそのまま読むことができる。途中の時間帯にも、記事は随時配信される。日経本紙の記事以外にも、Web刊のオリジナル記事、同社が発行する日経産業新聞や日経ヴェリタスなどの記事、子会社の日経BPが発行する雑誌の記事、系列のテレビ東京や日経CNBCなどの番組、さらに英Financial Timesなど外部メディアの記事など、幅広く提供される。

Web刊の読者は次の3種類に分かれる。
・非会員 :登録していない一般読者
・無料会員:無料の会員登録をしている会員
・有料会員:購読料を支払っている会員

非会員→無料会員→有料会員と、より多くのコンテンツや機能を利用できるようになる、3層構造となっている。無料会員に向けては、登録情報に基づく個人属性に即した広告を配信できる。また、非会員は人数が多いので、トラフィックの多さを活用し、マスに向けた広告を配信することができる。

購読料(月額、税込み)は、電子版のみの場合は4000円、紙の「日本経済新聞」と併読する場合は1000円(総額は朝・夕刊セット版地域は5383円、全日版地域は4568円)。紙媒体の日経本紙とのバランスを考慮したと思われる、微妙な価格設定だ。なお、電子版は4月末まで無料で提供される。

価格の影響も含めて気になるのが、新聞販売店の反応だ。紙の日経本紙と電子版は併存するが、 電子版の普及に伴って紙媒体の減少に拍車がかかれば、新聞流通の“中抜き減少”が進み、販売店にとっては死活問題だ。また日経社内においても、宅配網を流通の核にした従来のモデルが、電子化により崩れていく可能性があるため、電子版への姿勢には温度差があるだろう。具体的な創刊日がなかなか発表されなかったのも、社内外の調整に手間取ったことが大きな要因ではないかとみられる。

新聞社の大きな収入源は広告だが、前回のブログ記事で書いたように、2009年の日本の媒体別広告費で、新聞は前年比18.6%減と大きく落ち込んだのに対し、インターネットは1.2増と伸びている。部数減と広告減に苦しむ新聞社にとって、電子化も収入増を図る手段である。しかし、電子化で従来のビジネスモデルが侵食されることを考えると、両刃の剣でもある。

ただし、日本経済新聞社は一般紙の各社と比べ、経済情報を扱っているという差別化要素がある。同社は経済情報をインターネット上で提供するサービスでも進んでおり、これまでも会員向けサービスとして、日経のデータベースにアクセスできる「日経テレコン21」や、金融市場のニュースを端末に配信する「日経QUICニュース(NQN)」などを手がけてきた。今回のWeb刊も、このようなサービス展開の一環といえる。

米国では近年、新聞の凋落が著しく、各紙がネットでの展開などを模索しているが、総じて経営悪化が続いている。米新聞雑誌部数公査機構(ABC)の調査によると、発行部数(2009年4月~9月平均、有料電子版を含む)が例外的に好調なのは代表的経済紙「The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル) 」で、約202万部(前年同期比0.6%増)と、「USA Today(USAトゥデイ)」(同17.1%減)を抜き全米1位となっている。このことからも、大手経済紙の優位性が窺われる。

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