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「大阪府と大阪市の統合」を橋下知事が提唱

 2010-02-15
日本経済新聞・夕刊(2月15日付)の『ニュースの理由(わけ)』に、『橋下徹知事が「府市統合」構想』という記事が掲載されていた。就任3年目に入った大阪府の橋下知事が、大阪府と大阪市を統合する構想を打ち出したことを取り上げている。知事の構想は、大阪府と大阪市の垣根をいったん壊し、財政や首長を統合することで無駄を排除して効率化し、大阪の活性化を図ろうというものだ。

府市統合の具体的な姿はまだ明確ではないが、一案として、大阪市を解消して複数の特別区から成る地域に変え、大阪府を東京都のような形態にする、いわば「大阪都」構想がある。この場合、現在の大阪市の地域は東京都区部(23区)のような存在になる。しかし、この「大阪都」構想は、実質的に大阪市を解体して大阪府に吸収するものであるため、大阪市側は猛反発している。以前から物議を醸す発言の多い橋下知事だが、大阪市側を刺激してしまったようだ。

2001年にも、当時の太田房江知事が「大阪都」構想を持ち出したことがあるが、このときも大阪市側は激しく反発した。それ以来、「大阪都」構想は、府市の関係を険悪にする微妙なテーマとなってきた。

ところで、東京都制は、かつての東京府(東京都の前身)と東京市(地域はほぼ現在の23区に相当)の二重行政を解消するために、戦時中の1943年7月1日に実施された。大阪府と大阪市も、二重行政という意味では、かつての東京府と東京市の関係に似た状況にあるのは確かだ。しかし、自治体としての大阪市の独立性にこだわる大阪市側の主張もあり、すぐには結論を出しにくい。

また、橋下知事はかねてから道州制を提唱している。もし「大阪都」が実現した場合、「旧大阪市地域」(「大阪都」に吸収されて市としては解消し、複数の特別区から成る地域)を、関西州(仮称)の中でどう位置づけるのかという問題もある。

なお、「大阪都」構想が引き起こした論争は、より一般的に、政令指定都市と府県の関係がかかえる問題に行きつく。府県の中において、政令指定都市の比重が非常に大きければ、多かれ少なかれ二重行政の問題が起こり得るからだ。

例えば神奈川県では、横浜市(人口は大阪市を超えている)が人口・面積ともに県内で圧倒的で、これまた政令指定都市である川崎市も東京と横浜の間に位置する。しかも今年の4月1日には、相模原市が政令指定都市になる。神奈川県はかなりやりにくいのではないだろうか。

いずれにせよ、巨大都市を自治体としてどう位置づけるかは、なかなか難しい問題だが、今後の国や地方のありかたを考える上で、避けては通れない問題だろう。

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