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不起訴の小沢氏は米国と取引したのか

 2010-02-08
2月4日、政治資金規正法違反事件で民主党の小沢幹事長は不起訴となったが、その前後にかけて、これとの関連性が憶測されるような出来事が相次いだ(下記の報道記事を参照)。

2月2日、小沢氏はキャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)と会談した(ルース駐日米大使も同席)。普天間基地移設問題は話し合わなかったというが、会談内容は公開されていない。小沢氏はこの2日後に起訴されるかもしれないわけで、普通に考えると、米側はなんとも微妙な時期に会ったものである。なんらかの政治取引の可能性も考えられる。

小沢氏と会談したキャンベル氏は2月5日になって、2日の会談の際、小沢氏に、5月の大型連休の時期に民主党議員団とともに訪米するよう要請したことを明らかにした。鳩山首相は普天間基地移設問題について、5月までに結論を出すと述べており、米側が訪米を要請した5月の大型連休時期というのも、普天間基地移設問題と無関係とは思われない。2日の会談で普天間基地移設問題が話題にならなかったというのも、かなり怪しい。むしろ、重要テーマだったと考えるのが自然だろう。

訪米要請で注目されるのは、米側が小沢氏個人だけでなく、民主党の幅広いグループの議員とともに訪米するよう要請していることだ。これで思い出すのは。小沢氏が昨年12月、民主党の国会議員約140人を含む総勢600人規模の大型訪中団をひきいて訪中したことだ。米側はそのような大型訪米団を期待しているのだろうか。米国は小沢氏ひきいる民主党の大型訪米団を、中国に見せつけることを意図しているのかもしれない。

沖縄に位置する普天間基地の問題は、日米両国の対中国戦略にも密接に関係する。このところ、米中関係は急速に緊迫化している。米国は、台湾への武器売却、台湾軍機や台湾総統の米国領内経由、中国からのGoogle撤退の動き、ダライラマと米大統領との会談決定などで、中国に対して挑発的とも思える姿勢を見せている。米国が、普天間基地移設問題が決着する予定の5月に、小沢氏が大型訪米団をひきいて訪米すること要請しているのは、中国を意識したものとも考えられる。

2月3日、亀井金融・郵政改革相は、ゆうちょ銀行の資金運用について米国債などへも広げるべきだとの考えを示した。亀井氏が突然、このような発言をするとは驚きだ。亀井氏は従来、郵政民営化など小泉・竹中路線を全面否定する発言を繰り返し、米国に対しても強硬な姿勢をみせてきた。そんな亀井氏にとって、これは“転向”に等しい発言ではないか。本当に亀井氏の本心なのだろうか。

「小沢・キャンベル会談の翌日、小沢氏の不起訴決定の前日」にあたるタイミングで、今回の亀井氏の発言があったことは、なんらかの裏事情も推測される。亀井氏は従来から小沢氏と盟友関係にあるという。そんな亀井氏が、小沢氏の置かれた状況などを考慮して、米国などの要請に歩み寄った可能性も考えられる。

2月6日に全容が明らかになった国家公務員法改正案では、新設の「内閣人事局」で省庁横断の人事名簿を作成し、官邸主導で幹部を選任するとされているが、検察庁と宮内庁は独立性を保つために対象外となった。

民主党は検事総長に民間人を登用する可能性を示唆するなど、検察庁の幹部人事についても官邸が介入することを考えていたようだが、改正案では、直接的な人事介入はできないことになった。今回のタイミングで検察庁の幹部人事に関して例外規定が明らかになったのは、小沢氏をめぐる問題との関連が憶測される。民主党の唱える“政治主導”は現状では事実上の“小沢主導”になる可能性が強いが、検察人事の独立性が維持されれば、検察庁に小沢氏が介入することは難しくなる。

改正案では、宮内庁の幹部人事にも官邸は直接介入できないことになったが、これについては、中国の習近平副主席が昨年12月に訪日した際の、天皇との“特例会見”の一件が思い出される。天皇との会見は1か月前までの要請が必要という「1か月ルール」に反するとして、宮内庁はいったん断ったが、これに対して小沢氏は宮内庁の羽毛田長官を恫喝するような発言を行い、会見を実質的に強行した。国事行為以外についても、政府は天皇を任意に動かせるかのような小沢氏の一連の発言は、各方面から強い反発を受けた。改正案の例外規定により、政府(というよりも実質的には小沢氏)が過度に天皇を政治利用できる可能性はほぼ排除されたといってよいだろう。そして、宮内庁の幹部人事に関するこの問題も、普天間基地の問題と並んで、中国(および東アジア情勢)に関連しているのである。



※報道記事(日付は報道内容の日付)

●2月2日
「普天間」話題にならず?=小沢氏が米次官補と会談
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201002/2010020200703

 民主党の小沢一郎幹事長は2日、国会内でキャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)と約1時間会談した。キャンベル氏によると、席上小沢氏は「日米関係が極めて重要で、この関係は継続する」と語った。一方で米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題は、話題にならなかったという。
 ただ、民主党は当初、事務局が会談内容を報道陣に説明する予定にしていたにもかかわらず、小沢氏の指示を受け急きょ取りやめた。このため今後、両者の会談内容をめぐり憶測を呼びそうだ。
 会談は、民主党側は事務局の通訳を除いて小沢氏が単独で出席、米側はルース駐日大使らが同席した。 

●2月3日
ゆうちょ銀の資金、米国債で運用も 亀井大臣が見解
http://www.asahi.com/business/update/0204/TKY201002030498.html

 亀井静香金融・郵政改革相は3日、日本郵政グループのゆうちょ銀行の資金運用について、米国債や社債などに多様化していくべきだとの考え方を示した。郵政見直しではゆうちょの預け入れ限度額の引き上げも検討されており、亀井氏は資金の増加が見込まれるとして、運用先も広げるべきだとの立場だ。

 亀井氏は記者団に対し郵政見直しについて「手足を縛られて営業をしているわけだから、現実にあった形にしていく」と発言。昨年12月末で約180兆円のゆうちょ銀行の貯金残高の増加が見込めるとした上で、米国債など日本国債以外の運用が「もう少し増えると思う」と述べた。

 ゆうちょ銀行は昨年12月末で約180兆円を有価証券で運用しているが、9割近くは日本国債で米国債はほとんどなく、社債も約12兆円にとどまっている。

●2月5日
小沢氏、訪米も大名行列?5月の大型連休中に
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100205-OYT1T01150.htm

 民主党の小沢幹事長が5月の大型連休中に訪米を検討していることが5日、明らかになった。2日に国会内で小沢氏と会談したカート・キャンベル米国務次官補が要請した。

 キャンベル氏はワシントン郊外の空港で4日、記者団に「幅広いグループの民主党議員に来てもらいたい」と期待感を表明した。民主党幹部によると、小沢氏はキャンベル氏に訪米に前向きの考えを伝えたという。

 「親中派」とされる小沢氏は昨年12月、民主党国会議員約140人を率いて訪中した経緯がある。米軍普天間飛行場の移設問題などで日米関係がぎくしゃくする中、米側と小沢氏の対話の行方が注目される。

●2月6日
官邸主導の幹部人事、検察庁・宮内庁は対象外 独立性保つ
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20100207ATFS0600S06022010.html

 政府が今国会に提出する国家公務員法改正案の全容が6日、明らかになった。内閣官房に「内閣人事局」を新設して省庁横断の人事名簿を作り、官邸主導で幹部を選任する。民主党政権との関係で焦点となっていた検察庁は「特殊性を有する」として適用除外にする。宮内庁なども同庁側の人選を優先し、一定の独立性を確保する。4月1日からの施行を目指す。
 人事局が適格性の審査を基に作成した省庁横断の「幹部候補者名簿」から各省庁の幹部を選ぶ。幹部は柔軟に省庁間を移動できる。任命権は閣僚にあるが、官邸主導を徹底するため首相や官房長官が事前に人選して閣僚と協議できる規定を設ける。幹部には公募制を導入することで、民間人も応募できるとした。


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