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トヨタはなぜ大規模な品質問題を起こしたのか

 2010-02-06
米国では、トヨタ車で踏み込んだアクセルが戻らずリコール(無償回収・修理)になり、ハイブリッド車「プリウス」のブレーキが効かない瞬間があるという問題も生じ、騒ぎが拡大している。米国のメディアでは日本以上に大々的に報道されており、米国政府もトヨタに事情を聞いたり、課徴金を検討するなど、政治問題化しつつある。

米国では、「トヨタの対応は遅く、危機感に欠ける」との印象が広がり、また、実態を隠蔽しようとしたのではないかとの疑いも拡大した。騒ぎの最中に豊田章男社長がいっこうに姿を現さないことも不信感を強めた。

トヨタは2月4日に東京本社で記者会見を行い、プリウスのABS(アンチロック・ブレーキ・システム)により、ブレーキが効くまでにわずかな遅れが生じる場合があるとの説明を行ったが、それが欠陥といえるかどうかについては微妙な表現だった。会見内容を別にしても、この記者会見で問題視されたのは、またも豊田章男社長の姿がなかったことだ。

その豊田章男社長は翌日2月5日夜、名古屋オフィスで一連の品質問題について記者会見を行って陳謝し、安全確保を最優先する姿勢をあらためて強調した。

なお、豊田章男社長は米国で品質問題が騒ぎなっていた最中にも、1月27日~31日の日程でスイスのリゾート地・ダボスで開催された「世界経済フォーラム(通称:ダボス会議)」に出席していたという。ダボス会議は政治・経済・学術・文化など各分野における世界のリーダーが集うとはいえ、会社が危機的状況にある中、そのまま出席を続けるとは、本当に危機感があるのか疑問符がつけられそうだ。

トヨタの世界販売台数は2008年には世界首位になり、長年首位だった米GMを抜いた。しかし、2009年秋のリーマン・ショック後の不況下で危機に陥り、2009年にはVW・スズキ連合(2009年12月に資本・業務提携)に首位の座を奪われた。そしてトヨタは2009年秋以降、品質問題で空前のリコールに巻き込まれ、大きなダメージを受けることになる。

ある意味で日本の製造業の代名詞でもあったトヨタが、なぜこのような窮地に陥ったのだろうか。大野耐一氏が体系化した「トヨタ生産方式」、QC活動である「カイゼン」などは、高い生産効率と品質を実現する手法として高く評価されてきた。そのトヨタが品質問題で大規模な品質問題を起こすとは皮肉である。

背景としてはまず、世界首位をめざして無理をしたこと、そして、世界首位になったことによる慢心があったのではないだろうか。量的拡大やコストダウンを追及し過ぎるよりも、地道に品質とブランドイメージの向上に努めたほうが、長い目で見れば得策だったと思われる。また、記者会見におけるトヨタ首脳陣の危機感に乏しい発言などから窺えるように、最近のトヨタは顧客指向の姿勢に欠けているような印象も受ける。

グローバル化も影響しているのだろうか。日本国内の生産現場で、気心の知れた仲間がいわば「すり合わせ」によって品質を高めていく手法は、海外では国民性やコミュニケーションの問題もあり困難になる。また、国内には過剰品質ともいえる製品を納入できる部品メーカーが数多く存在するが、海外では地元メーカーの部品を使うことが多く、部品の品質管理はより困難になるだろう。しかし、トヨタが海外進出したのは最近のことではないし、他の日本の自動車メーカーも海外進出しているわけで、トヨタだけが最近になって大問題を起こしているのは不可解だ。

付け加えると、近年は日本国内においても、メーカーの製造現場で派遣社員が増えたため、基本的に正社員を前提にした「すり合わせ」による品質向上は、やりにくくなっているかもしれない。

さらに、最近の物づくりでは実質的にソフトウェアの占める比重が増えていることも、影響しているのだろうか。従来型の物づくりと比べ、ソフトウェア開発では日本の優位性は必ずしも高くない。プリウスでもソフトウェアに問題があったとされ、プログラムを書き換えて対応するようだ。しかし、これも前述したグローバル化の場合と同様、トヨタ以外のメーカーはそれほど大きな問題を起こしていないことを考えると、トヨタに問題があるような気がする。

ただ、米国におけるトヨタ叩きの激しさは異常ではないか、という声もある。米国政府が「製造業の復活」を掲げるのとタイミングを合わせるかのように、今回の問題が起きたことについて、陰謀の存在を取り沙汰する向きもある。そのような可能性はあるかもしれない。しかし、トヨタにつけ入られる隙があったことも否めないだろう。

いずれにせよ今回のトヨタの品質問題は、日本製品全体のイメージダウンにつながりかねない。早急に原因を解明し、事態を収拾してほしいものである。

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