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映画『里山』~NHKのハイビジョン映像詩

 2009-08-23
映画『里山』を公開日の8月22日、新宿ピカデリーで見てきた。海外でも数々の賞を受賞したNHKの傑作ドキュメンタリー番組『里山』シリーズに、新たなシーンを追加した映画版だ。「映像詩」とうたっているだけあり、全編にわたって詩情に富んだ驚異の映像美を堪能できる。

滋賀県北部の琵琶湖畔に広がる、千年にわたり守り続けられてきた、田園地帯の広大な雑木林が舞台だ。最新のハイビジョンカメラと多彩な撮影技術を駆使し、自然、生き物、人間が織り成す共生の営みと生命のドラマが、四季の移り変わりを背景に展開される。

里山は自然のままの原生林ではないが、人の手が入りすぎた人工的なものでもない。人は里山の自然の恵みを利用しているが、世代を超えて里山の自然を維持し続けるために、さまざまな知恵を凝らしている。そのような知恵を通じて、千年にわたって人は里山と共生し続けてきたのだ。

たとえば、伐採した樹木は椎茸の栽培に用いられる。伐採後に残された切り株からは「ひこばえ」と呼ばれる芽が生えてきて、また樹木として育っていく。伐採も自然破壊ではなく、森林の再生を前提として行われているのだ。

色とりどりの花が咲き乱れる春、子供たちが楽しげに遊びまわる夏、棚田が黄金色に染まる収穫の秋、白い雪が降り積もる冬と、四季が移りゆく様子を変幻自在なテンポで見せる映像は、息をのむ美しさだ。

生き物同士が戦うシーンもある。なかでも、2匹のカブトムシが喧嘩し、最後は一匹が相手を投げ飛ばす映像が大画面で展開されるのは、まるでアクション映画のように迫力がある。

これだけの映像を撮ろうとすると、撮影機材や撮影技術はもちろんだが、とにかく大変な手間がかかっただろうと推測される。並外れた執念なしには実現不可能な作品だ。やはりNHKは、こういった性格のドキュメンタリーには強いと再認識させられる。

この映画には日本の原風景があり、心の底で不思議な懐かしさを感じる。それでいながら、新鮮な映像は驚きに満ちている。懐かしさと驚きをともに味わえることが、この映画の凄さだ。

いまや、近代を特徴づけてきた「自然の征服」、競争万能、成長万能、といった考えの限界が見え始めている。そんななか、「自然と人間の共生」、そして循環型社会を構想するうえでも、この映画は示唆に満ちている。

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