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参院選での民主党大敗で、政治はさらなる混迷へ向かう

 2010-07-13
7月11日投開票の参院選の結果は、逆風にさらされた民主党が44議席と大敗。これに対し、前回の総選挙で下野した自民党は予想以上に善戦し、51議席と改選第1党。「みんなの党」は、いきなり10議席を獲得する躍進ぶり。

菅首相は選挙結果の大勢が判明した12日午前0時半頃から記者会見を行ったが、「消費税について触れたことが唐突な感じを与えた」ことを敗因として挙げたものの、突っ込んだ総括は行わず、さっそく自らの続投を示唆する有様。菅首相は総理に就任して以来、へたなことを言ってボロを出さないようにするためか、メディアから姿を隠している印象があり、“逃げ菅”とも揶揄されていた。しかし、選挙結果を受けてやっと記者会見を開いたと思ったら、まるで人ごとのような説明でお茶を濁しただけ。政権担当者としての当事者感覚のなさは、鳩山前首相以来で相変わらずだ。10カ月間の民主党政権に関してちゃんとした総括もせず、マニフェストがいつの間にか変質していることについて納得できる説明もないのは、いかがなものだろうか。

今回の参院選は、成立からほぼ10カ月が経過した民主党政権への中間評価という意味合いが強い。鳩山・小沢のツートップが辞任したあと、一時的に内閣支持率がV字回復したが、菅首相の消費税発言をきっかけに再び支持率は急降下した。菅首相本人の資質にとどまらず、民主党自体の姿勢や体質に厳しい目が向けられつつある。多くの国民は、民主党政権の存在意義がわからなくなっているのではないだろうか。今回の選挙戦のさなか、「改革を後戻りさせていいのか」と訴える民主党候補がいたが、自民党と比べて民主党がとりたてて改革に熱心なようには見えないし、何をどう改革しようとしているのかに関しても、さっぱり具体的なイメージがわいてこない。民主党にとって改革というのは、選挙のためのキャッチコピーに過ぎないのだろうか。

連立与党の国民新党は、郵政の事実上の再国有化を強引に推進しようと図り、反改革の急先鋒ともいえる存在だが、今回の当選者はなんとゼロ。つい最近、自民党の離党者が急ごしらえで創設した「たちあがれ日本」や「新党改革」ですら、各1名の当選者を出しているのだから、連立与党でありながら当選者がゼロというのは、有権者からノーを突きつけられているようなものだ。国民新党の亀井代表は、全特(全国郵便局長会)や郵政ファミリーのために、政権内の議論を封殺してまで事実上の郵政再国有化に向けて奔走したものの、選挙結果には結びつかないという皮肉な結果に終わった。そもそも、国民新党が郵政ファミリーの全面的な支持を獲得できているわけでもなさそうだ。

地道な活動が功を奏して、なんとか復調のきっかけが見えてきた自民党、そして明確な改革姿勢が支持されて躍進した「みんなの党」が、絶対的な勝者がいない中での相対的な勝ち組かもしれない。しかし、自民党や「みんなの党」、そして公明党も、民主党との連立には否定的だ。一方、菅首相がひきいる民主党の大敗によって意外に復権しそうなのが、民主党・前幹事長の小沢氏である。9月には民主党代表選も予定されているが、今後、小沢氏が菅首相に揺さぶりをかけていく可能性もある。はたして、内憂外患の菅首相は逃げきれるのだろうか。いずれにせよ、日本の政治の混迷がさらに続くことだけは確かだ。


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