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個人投資家が出資していると原則として新規公開ができなくなる、日本証券業協会の規則改正案

 2010-07-03
日本証券業協会が「有価証券の引受け等に関する規則」等の一部改正について、7月1日までパブリックコメントを募集していたが、この改正案の内容には大きな問題がある。株式等の発行者の株主、役員、親族、従業員を除く個人投資家から出資を受けている場合には、日本証券業協会の引受会員が新規公開時の引受を行うことを原則として禁止するという。要するに、第三者である個人投資家が出資していたら、原則として新規公開は認めないということだ。改正された規則は7月20日から実施し、この日以降に新規公開する企業に適用されるという。7月20日時点ですでに個人投資家の出資を受けている公開予定企業は、それを解消しないと公開できないことになる。

ともあれ、日本の資本市場を担う証券業者の団体である日本証券業協会が、ベンチャー企業の育成や資本市場の発展を阻害するような規則をあえて制定しようとするのは、なんとも理解に苦しむ。金融規制当局などからの要請があったのだろうか。

改正案を導入する理由として、未公開株に関連する詐欺の防止が挙げられている。確かに新規公開にからんだ詐欺事件はあるにはせよ、このような対策が必要なほど蔓延しているのだろうか。例外的な事件を防ぐために異常なほど防御的な措置を講じるのは、全体的なバランスを失している。もちろん投資家保護などのために一定の規制は必要にせよ、原則禁止というのは行き過ぎではないか。それに、詐欺をたくらむ人間は、公開をにおわせて相手を騙せればいいわけで、実際には公開しなくてもいいのだから、詐欺防止のための実効性も疑わしい。詐欺防止というのは、個人投資家が未公開企業に投資すること自体を排除するために、無理矢理こじつけた理由ではないかとすら思えてくる。

米国のシリコンバレーなどでは、自らリスクをとって新興企業に投資するエンゼル投資家が、大きな役割を果たしている。日本で先端的なベンチャー企業がなかなか登場しないのは、リスクを回避する保守的な国民性もさることながら、資金調達が困難なことも大きな理由となっている。日本経済の閉塞感を打ち破るためにも、新事業に挑む新興企業が続々と現れることを促進した方が得策だ。

今回の改正案の背後にいる人々は、ベンチャー企業やそれに投資する個人投資家自体をうさんくさい存在だと思っているのかもしれない。あるいは、正体不明の挑戦者によって既存の秩序や既得権が脅かされるのを、阻止したいのかもしれない。しかし、行き過ぎた規制は「水清くして、魚棲まず」という事態をもたらし、せっかくの金の卵を殺してしまう。金融社会主義のような施策は、決して国民の利益にはならない。


※関連リンク
●新規公開前に行われる不適切な自己募集を規制するための
「有価証券の引受け等に関する規則」等の一部改正について(案)


●個人から出資を受けたらIPOできなくなる日本証券業協会の規則変更に大反対します
(isologue)


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