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鳩山政権は日本型国家社会主義の再建を目指しているのか

 2010-05-02
前回、 『昭和が生み出した「ソフトでカジュアルな国家社会主義」』 という記事を書いた。日本では戦前の総力戦体制下において、国民を総動員するために日本型国家社会主義とも呼べる体制が形成された。それが戦後になって、軍事色や過度の国家主義的要素を除去した形で生き残り、いわば「ソフトでカジュアルな国家社会主義」が成立した。自民党の長期政権、官僚支配、画一的な教育制度、マスコミの東京集中と系列化、終身雇用をベースとした雇用慣行などは、その特徴だ。

しかし、1990年代初頭の日本経済のバブル崩壊や世界的な冷戦終結を経て、日本経済は長期不振に陥り、人口の頭打ちや新興国の台頭もあって、日本型の「ソフトでカジュアルな国家社会主義」は危機に瀕し、日本は閉塞感の中をさまよっている。

2001年、小泉元首相は構造改革路線を掲げ、「自民党をぶっこわす」と叫んで自民党総裁選に勝利し、政権の座についた。その構造改革路線は日本型国家社会主義を根本的に見直すものであり、小泉政権は圧倒的人気を博し、2005年のいわゆる郵政選挙でも圧勝した。しかし、小泉退陣後の自民党の3代の政権では改革路線は後退し、世界不況の中で自民党の麻生政権に幻滅した国民は、2009年の総選挙で民主党政権を選択した。

ところが、この民主党政権は迷走を続けるばかりで、国民の信頼を急速に失っている。共同通信社が4月28日・29日に実施した全国緊急電話世論調査によると、鳩山内閣の支持率は20.7%と、2割を切る寸前まで急落した。世論は鳩山政権にノーをつきつけているのだ。

民主党は官僚支配の打破を声高に叫んでいたが、いざ政権の座につくと、それと矛盾することを公然と行っている。日本郵政の社長に元大蔵次官の斎藤次郎氏を起用したときは唖然としたが、その後も財務省支配がますます強まっている感がある。「天下りの廃止」もかなり骨抜きにされている。なお、天下りを原則禁止する代わりに、勤務先の省庁に定年まで在籍できる制度にすると、かえって人件費はかさむことになる。そもそも官公労を支持母体とする民主党に、公務員の既得権を侵すような政策は難しいのかもしれない。

郵政改革については、後退というよりも逆行である。形だけは株式会社だが、政府がトップ人事にまで公然と介入し、郵貯の預入限度額を2000万円に拡大することも決まってしまった。民業圧迫の批判を無視して、形だけの民営化を維持しつつ、実質的な「官の肥大化」を強引に進めるつもりらしい。

鳩山政権が打ち出す政策の中身は、社会の流動性を阻害し、固定化する方向性のものが目立つ。派遣労働に対する規制を強化しても、全体として正社員化が進むわけではなく、雇用機会が減るだけである。雇用助成金も一時しのぎであるばかりか、労働資源の移動や産業構造の変化を阻む。労働者を正社員として企業に抱え込ませ、社会福祉を実質的に企業に代行させる、といった従来の発想から抜けられないようだ。

そもそも、この政権は市場経済が嫌いなのではないのか。市場メカニズムを活用し、成長を促進するといった発想が希薄で、利益追求を敵視しているような印象すらある。民主党内部には市場重視の構造改革派も少なくないと思われるのだが、大きな声にはなっていない。

日本が国際化やソフト化、ネット化の進む時代に適応し、国際競争力を高めるには、教育の制度設計や内容を抜本的に見直す必要がある。高校の授業料無料化はそれなりに評価できるが、教育制度全体を時代に即したものに改革していく姿勢は、あまり見られない。

鳩山政権の体質と現状を見ると、日本型国家社会主義の再建を目指しているように思えてならない。それが、これからの時代が求める改革の方向性なのだろうか。


※関連エントリー
■昭和が生み出した「ソフトでカジュアルな国家社会主義」

コメント
郵政民営化は、単なる私物化と、外国勢力が食い荒らすだけで惨状でした。現場を見て歩いておりますが、さんさん足ることで、経営はデタラメだったように思います。郵政改革は逆行ではありません。市場原理主義のカルトからの解放です。新生銀行が、長期信用銀行をつぶして、デタラメな瑕疵担保付き責任で、今、鼠が船から逃げるように逃げ出しているのと構図は共通です。日本で大もうけした連中は、多くはニューヨークで王侯貴族の生活をしていますが。
【2010/05/15 13:07】 | Orwell #- | [edit]












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